5分でわかる!VMware Cloud Foundationとは?〜SDDCでITインフラを最適化〜

VMware Cloud」サービスのVMware Cloud Foundation(VCF)は、サーバ、ストレージ、ネットワークの仮想化と運用効率化を一体化した、フルスタック型のSDDC(Software-Defined Data Center)ソリューションです。

この記事では、VCFを初めて学ぶ方向けに、製品の基本概要からVCFを構成するVMware製品、VCFの代表的なメリットや提供エディションについてわかりやすく紹介します!

目次

サイロ化したITインフラの課題

現代のビジネス環境では、企業がデジタル化と技術進化に対応するため、多種多様なシステムとテクノロジーを導入しています。しかし、これらのシステムがそれぞれ個別に最適化されることで、「サイロ化されたインフラ」という問題が生じています。

サイロ化とは、異なるクラウド環境や機能が独立して動作し、情報やリソースの横断的な共有が困難な状態を指します。たとえば、基幹系システムと情報・社内系システムが異なるバージョンやアーキテクチャのクラウドインフラで構築されている場合、データアクセスの制限や効率的な連携の障害が生じることがあります。このような状況は、組織全体の効率や柔軟性の低下につながります。

異なるアーキテクチャやバージョン混在による負荷の増加

「Software-Defined Data Center」による解決策

サイロ化されたインフラの問題を解決するための一つのアプローチとして、「Software-Defined Data Center(SDDC)」への移行が挙げられます。SDDCでは、サーバ、ネットワーク、ストレージなどの重要な要素をソフトウェアで抽象化し、一元的に管理します。システム全体の運用を自動化し、異なるシステム間の運用管理の課題を解決することで、効率的で柔軟なITインフラストラクチャが実現されます。

SDDCの導入により、IT部門は複数のシステムをより効率的に管理できるようになり、新しいテクノロジーの導入や既存システムとの調整が容易になります。これにより、企業は迅速にビジネスの変化に対応し、市場での競争力を高めることができるようになります。

「SDDC」でITインフラ間のギャップを最小化

SDDCを実現する「VMware Cloud Foundation」

VMware Cloud Foundationは、従来のオフィスITシステムをクラウドコンピューティングの柔軟性と高機能性を備えた最新のシステムへと変革する、統合型のSoftware-Defined Data Center(SDDC)ソリューションです。このソリューションは、サーバ、ストレージ、ネットワークの仮想化機能に加えて、運用管理機能も一体化しており、クラウド運用モデルを実現するための一貫したインフラとオペレーションを提供します。

VMware Cloud Foundationを導入することで、IT運用の自動化と集中管理が可能となり、迅速かつ効率的なサービス提供が実現されます。これにより、企業のデジタル変革が加速し、複数のクラウド環境をスムーズに統合し、業務を効率的かつ一貫性のある方法で運営することが可能になります。

あらゆるインフラハードウェアを抽象化する「VMware Cloud Foundation」

VMware Cloud Foundationを構成するVMwareサービス

VMware Cloud Foundationは、企業のITインフラストラクチャを柔軟かつ効率的に管理するために開発された、複数のVMwareサービスで構成されるフルスタックアーキテクチャです。

VMware Cloud Foundationの主要コンポーネントは以下の通りです。

SDDC Manager

VMware Cloud Foundationの中核となる管理コンポーネントです。インフラストラクチャのデプロイ、構成、管理を自動化し、リソースのアップデートやモニタリングを一元管理して効率的な運用を支援します。

VMware vSphere

サーバのリソースを仮想化し、複数の仮想マシンを実行できる環境を提供します。サーバリソースのの効率的な利用と柔軟なリソース管理が可能になります。

VMware vSAN

HCI環境におけるストレージの管理と最適化を行います。ストレージリソースを抽象化し、高性能かつスケーラブルなストレージサービスを提供します。

VMware NSX

ネットワーク・セキュリティをソフトウェアで抽象化し、ネットワーク仮想化を実現します。物理ネットワークに依存しない、セキュアで柔軟性の高いネットワーク環境を実現します。

VMware Aria

マルチクラウド管理をサポートする運用管理プラットフォームです。運用の可視化と自動化を実現し、クラウド環境の効率的な運用を可能にします。

VMware Cloud Foundationの3つのメリット

VMware Cloud Foundationの導入により、企業は多くのメリットを享受できます。ここでは、その代表的な3つのメリットを、具体的な例と実際の効果を交えて紹介します。

メリット①:標準化と自動化によるITインフラ運用の改善

VMware Cloud FoundationによるITインフラの標準化と自動化は、運用の簡素化と効率化を実現します。例えば、仮想マシンのプロビジョニングやポリシー適用、アップデートが自動化されることで、手作業によるエラーが減少し、ITチームの作業負担が軽減されます。

VMware Cloud Foundationを活用することで、ITチームはルーチンワークから解放され、より戦略的で革新的な業務に集中できるようになります。

標準化と自動化によるITインフラ運用の改善

メリット②:より高付加価値領域へのエンジニアリソースの移行

VMware Cloud Foundationによる変革は、エンジニアリソースの活用範囲を拡大します。例えば、エンジニアは新しい技術の導入、システムの最適化、ビジネスプロセスの改善など、より創造的で影響力のある業務に時間を割くことができます。

これにより、企業はITチームのスキルと能力を最大限に活用し、ビジネスのイノベーションを加速させることができます。

エンジニアリソースのカバー領域を拡大し、より高付加価値領域への移行

メリット③:既存ITインフラ運用の最適化による新規領域へ余力の確保

VMware Cloud Foundationによる運用の最適化は、コスト削減と効率化をもたらします。従来の運用を続けると、ワークロードとコストが増加する一方、VMware Cloud Foundationを導入することで、これらのコストを削減し、新規プロジェクトやイノベーションへの投資に余力を確保できます。

例えば、クラウド利用コストの削減により、新しいアプリケーション開発や市場拡大戦略に資金を再投資することが可能になります。これにより、企業は市場の変化に柔軟に対応し、持続的な競争優位を維持することができます。

既存ITインフラ運用の最適化による新規領域へ余力の確保

VMware Cloud Foundationの各エディションについて

VMware Cloud Foundationは、企業のニーズに応じて様々なエディションを提供しています。ライセンスの購入単位は物理サーバの「CPU 単位」 の永続型ライセンスとなります。

VMware Cloud Foundation StarterVMware Cloud Foundation Standardは、エントリーレベルのソリューションで、仮想マシン向けにフルスタックのインフラストラクチャ展開を自動化します。初めてVMware Cloud Foundationを使用する企業に最適で、基本的な機能を提供します。

VMware Cloud Foundation Advancedは、「VMware Aria Universal Suite 」のクラウド管理機能と「VMware Aria Operations for Networks」のネットワークインサイトが追加されます。より複雑なクラウド環境の管理と分析が可能になり、中規模から大規模なIT環境を持つ企業に適しています。

VMware Cloud Foundation Enterpriseでは、最上位エディションの「VMware vSAN」「VMware NSX」「VMware Aria Operations for Networks」が追加されます。包括的なクラウド管理機能が提供されるため、大規模かつ複雑なIT環境を持つ企業や、高度なセキュリティとパフォーマンスを求める企業に最適です。

VMware Cloud FoundationStandardAdvancedEnterpriseStarter
ライセンス単位CPU単位CPU単位CPU単位CPU単位
VMware vSphereEnterprise PlusEnterprise PlusEnterprise PlusEnterprise Plus
VMware vCenter ServerStandardStandardStandardStandard
VMware vSANAdvancedAdvancedEnterpriseAdvanced
VMware NSXAdvancedAdvancedEnterprise PlusAdvanced
VMware Aria Universal Suite EnterpriseEnterpriseStandard
VMware Aria Operations for NetworksAdvancedEnterpriseAdvanced
SDDC Manager
VMware Tanzu Kubernetes Grid選択可能選択可能選択可能選択可能
for External Storage
※外部ストレージの使用を前提にvSANライセンスが含まれないVCFライセンス。管理用ドメイン以外ワークロードドメインでのみ利用可能
選択可能選択可能選択可能

Core単位の「VCF-S」と「VCF+」は「VMware Cloud Editions」に統合

「VMware Cloud Editions」は、VMwareがこれまで提供してきた複数のパッケージ製品を統合した新しいサービスブランドです。詳細は以下の記事をご確認ください。

VMware Cloud Foundationの相談はネットワールドまで!

ITインフラの構成要素をソフトウェアで抽象化することで、効率的な管理を実現するフルスタック型SDDCソリューションの「VMware Cloud Foundation」について紹介しました。VMware Cloud Foundationを導入することで、企業はコスト削減、運用効率の向上、ビジネスニーズに合わせた柔軟なスケーリング、セキュリティとコンプライアンスの強化など、多くのメリットを享受できます。

VMware Cloud Foundationの導入や、クラウドを利用した最新インフラへの移行に関するご質問・ご相談は、VMwareの導入支援実績が豊富なネットワールドまでお気軽にお問い合わせください!

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