マルチクラウド環境の複雑性を解消する「VMware Aria」
AWSやAzure、GCP等のパブリッククラウドを組み合わせて活用する「マルチクラウド」採用が、国内のクラウド選択においてもスタンダードになりつつあります。
「VMware Aria™」は、マルチクラウド環境のアプリケーションやインフラストラクチャ管理における複雑性を解消し、あらゆるクラウド環境のコスト・運用・セキュリティを最適化するための単一のクラウド管理プラットフォームです。
- マルチクラウドの複雑性を解消する管理ソリューション
- コストやパフォーマンス、セキュリティを最適化
- 自動化とセルフサービスによる運用管理を効率化
マルチクラウドのメリットと課題
加速するマルチクラウドのメリットとは?
近年、パブリッククラウドの利便性を活かし、様々な目的に応じて複数のクラウドサービスを組み合わせて利用する「マルチクラウド」の導入が進んでいます。マルチクラウドはクラウドのメリットを最大化するための重要な戦略であり、アプリケーションの特性や目的に応じて最適なクラウドサービスを選択することで、競争力の高い高品質なアプリケーションを展開することが可能となります。
また、業務で使用するインフラ基盤を複数のクラウドベンダーのサービスで構築することで、特定のクラウドベンダーに依存するリスク、いわゆるベンダーロックインを避けることも可能になります。
複雑性が増すマルチクラウド運用の課題
マルチクラウドが提供するメリットは多岐にわたりますが、それに伴って新たな課題が発生します。例えば、複数のクラウド環境をそれぞれ個別に管理することで、運用にかかる負担やコストが増加し、各クラウドを適切に利活用していくには、そのクラウドを熟知した専門スキルを持つスタッフが必要です。
また、クラウドセキュリティでは、データ保護やアクセス制御、そしてコンプライアンスや運用ルールを適切に維持するために多面的な対策が要求されます。しかし、それぞれの特徴や管理方法が異なるマルチクラウド環境において、一貫性のあるセキュリティポリシーをもれなく適用し続けることは非常に困難です。
複雑で属人化しやすいマルチクラウドを成功に導くためには、あらゆるクラウドに対応可能で、複数クラウドにわたって統合的な視点を提供する「統合管理ソリューション」の存在が必要不可欠です。
マルチクラウドのあらゆる複雑性を解消する「VMware Aria」
「VMware Aria」は、各種のクラウドサービスが持つ複雑性を解消し、一元的な管理によって運用効率化を実現するマルチクラウド管理プラットフォームです。あらゆるクラウド上で一貫したポリシー及び管理手法を適用し、クラウドネイティブアプリケーションやパブリッククラウド、そしてVMware Cloud™を含むマルチクラウドの自動化、セキュリティ強化、パフォーマンス向上、さらにはコスト削減を可能にします。
VMware Ariaは、従来VMwareが提供してきた「vRealize」シリーズを新たにリブランディングしたサービスです。クラウドの可視性を提供する「VMware Aria Operations™」と、自動化を支援する「VMware Aria Automation™」によって、オンプレミスのvSphere環境やパブリッククラウドなど、クラウドの種類を問わずに運用管理のサイロ化を解消します。
VMware Aria Operations:マルチクラウドのパフォーマンス改善
VMware Aria Operationsは、アプリケーションとインフラストラクチャ全体を視野に入れたパフォーマンス管理を実現する、AI駆動型のIT運用管理プラットフォームです。vSphereベースのオンプレミスのプライベートクラウドだけでなく、VMware Cloud、VMware Cloud on AWS、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudなどのパブリッククラウドをサポートしており、マルチクラウド環境を一元的に管理することが可能です。
VMware Aria Operationsは、目的や管理対象に合わせて、それぞれ異なる以下4つの製品で構成されています。
- VMware Aria Operations (旧vRealize Operations)
- VMware Aria Operations™ for Logs (旧vRealize Log Insight)
- VMware Aria Operations™ for Networks (旧vRealize Network Insight)
- VMware Aria Operations™ for Applications (旧Tanzu Observability)
VMware Aria Operations
VMware Aria Operationsとは?
VMware Aria Operationsは、仮想マシンやコンテナ、クラウドの各インフラストラクチャといった広範囲を網羅する可視性を提供し、異常やボトルネック箇所を一目で発見してパフォーマンスと運用管理の最適化を実現します。
現在の問題や将来の課題、最適化の余地を明らかにすることができ、リソースの過剰な割り当てや無駄なコストを削減し、安定したマルチクラウド運用や将来的なリスク対策にも対応できます。
VMware Aria Operationsの購入方法
VMware Aria Operationsのエディションは、vSphere環境向けの「Standard」、SDDCやVMwareベースのクラウドサービスに最適な「Advanced」、VMware以外のパブリッククラウドにも対応する「Enterprise」の3種類が用意されています。
ライセンス単位は仮想マシン単位・OSI単位(オペレーティング・システム・インスタンス)、もしくはCPU単位となります。
VMware Aria Operationsのライセンス体系 | 仮想マシン単位 | CPU単位 | OSI単位 |
---|---|---|---|
VMware Aria Operations Standard | |||
VMware Aria Operations Advanced | |||
VMware Aria Operations Enterprise |
VMware Aria Operations for Logs
VMware Aria Operations for Logsとは?
VMware Aria Operations for Logsは、物理機器やアプリケーション、コンポーネントから生じる様々なログを一元的に収集し、複雑なログデータから視覚的でわかりやすい有益な情報を提供するインテリジェントな分析ツールです。マシンラーニングを活用したリアルタイムのデータ分析によって問題を素早く特定し、システム管理の効率化と運用の信頼性及び安定性の向上を実現します。
さらに、インフラを可視化するVMware Aria Operations製品との連携により、トラブルシューティングやリソース最適化の精度を向上させる統計分析が可能になります。
VMware Aria Operations for Logsの購入方法
VMware Aria Operations for Logsのライセンス購入単位は、CPU単位もしくはOSI単位(オペレーティング・システム・インスタンス)となります。
VMware Aria Operations for Networks
VMware Aria Operations for Networksとは?
VMware Aria Operations for Networksは、複数のクラウド間のネットワーク接続性やアプリケーションセキュリティを分析し、セキュリティの推奨設定を自動的に収集し、ネットワークの可視性を提供する分析ソリューションです。
NSX環境では、トラフィックの分析に基づいて推奨されるマイクロセグメンテーションのポリシーを簡単に作成することができるため、セキュアで最適な仮想ネットワーク環境を構築することが可能です。
VMware Aria Operations for Networksの購入方法
VMware Aria Operations for Networksのエディションは、NSX環境向けの「Advanced」、パブリッククラウドにも対応する「Enterprise」、Enterpriseの機能をSaaSで提供する「Universal」が用意されています。
VMware Aria Operations for Networksのライセンス体系 | CPU単位 | Core/vCPU単位 |
---|---|---|
VMware Aria Operations for Networks Advanced | ||
VMware Aria Operations for Networks Enterprise | ||
VMware Aria Operations for Networks Universal |
VMware Aria Operations for Applications
VMware Aria Operations for Applicationsとは?
VMware Aria Operations for Applicationsは、マルチクラウド環境におけるKubernetesやアプリケーションの監視・分析を提供する分析ソリューションです。ログ、メトリック、トレースの情報をコンテキストに基づいて取得することで、クラウドネイティブのアプリケーションやインフラストラクチャ全体の細部にわたるオブザーバビリティ(可観測性)を実現します。
例えば、アプリケーションの異常や問題をリアルタイムに分析・可視化することによって問題の原因を迅速に特定したり、データセット間の関連を見つけてアプリケーションのボトルネックとなっているリソースを特定したりすることができます。さらに、正確性の高い、高性能な分析機能によって、誤ったアラームが発せられるのを防ぎ、運用の効率性向上にも貢献します。
Kubernetes環境では、ノードやコンテナに対するフルスタックの可視化を通じて、パフォーマンスと信頼性の向上に貢献します。
VMwareから提供されていた「VMware Tanzu Observability by Wavefront」は、現在はVMware Ariaファミリーにリブランディングされており、「VMware Aria Operations for Applications」に名称変更が行われています。旧Tanzu Observability by Wavefrontについては、以下の記事でご紹介しています。
VMware Aria Operations for Applicationsの購入方法
VMware Aria Operations for Applicationsは、ニーズに応じてスケールアップやスケールダウンが可能なシンプルで柔軟性のある従量課金モデルを採用しています。監視対象となるクラウドリソースの数量に基づき、サービスの利用料金とサポート費用が計算されます。詳細は、ネットワールドまでお問い合わせください。
VMware Aria Automation:マルチクラウド環境の自動化
VMware Aria Automationは、マルチクラウド環境に対して一貫した制御と業務効率化をもたらす自動化プラットフォームです。リソースのプロビジョニングや運用ワークフローを自動化する「VMware Aria Automation」と、構成管理プラットフォームである「VMware Aria Automation™ Config」、コンプライアンス管理を提供する「VMware Aria Automation™ for Secure Hosts」の3つの製品から構成されています。
- VMware Aria Automation (旧vRealize Automation)
- VMware Aria Automation Config (旧vRealize Automation SaltStack Config)
- VMware Aria Automation for Secure Hosts(旧vRealize Automation SaltStack SecOps)
VMware Aria Automation
VMware Aria Automationとは?
VMware Aria Automationは、「VMware Cloud」や「VMware vSphere」といった仮想環境や、AWS・Azure・GCPといったパブリッククラウドのITオペレーションを効率的に自動化し、管理するためのソリューションです。
セルフサービス型マルチクラウド環境を提供し、あらゆるクラウドでインフラストラクチャリソースをユーザーが簡単にリクエストおよびプロビジョニングすることが可能になります。自動化と高速化を通じてアプリケーションのイノベーションを加速させ、新たなビジネスチャンスの創出を支援します。
VMware Aria Automationの購入方法
VMware Aria Automationのエディションは、状態管理と自動化を行う「Standard」、一元化されたポリシーによる制御が可能な「Advanced」、 Kubernetes やパブリッククラウドに対応する「Enterprise」、SaaS として利用できる「クラウド」の4種類が用意されており、 OSI単位のライセンスで提供されます。
VMware Aria Automation | Standard | Advanced | Enterprise | クラウド |
---|---|---|---|---|
VMware Aria Automation Config | ||||
VMware Aria Automation Orchestrator およびアクションベースの拡張性 | ||||
Service Broker および Cloud Assembly | ||||
VMware Aria Automation Templates | ||||
ネイティブ パブリッククラウドのエンドポイント | ||||
DevOps、Code Stream、Kubernetes (Tanzu の統合を含む) | ||||
サードパーティの構成ツールとの連携 |
VMware Aria Automation Config
VMware Aria Automation Configは、仮想マシンの状態の監視と、特定のパッケージやサービスの存在を保証する、高性能・スピーディー・アジャイルな構成管理プラットフォームです。Pythonをベースにしており、読みやすいYAMLを利用して直観的な管理フレームワークを実現します。
VMware Aria Automation for Secure Hosts
VMware Aria Automation for Secure Hostsは、セキュリティコンプライアンスの評価と修正を支援するコンプライアンス管理ツールです。コンプライアンスチェックの実施、ベンチマークの設定、ポリシーの策定、評価結果の閲覧および修正といった機能を提供します。
「VMware Aria」から「VMware Tanzu」にリブランディングされたサービス
VMware Ariaとして提供されていた製品の一部は、2023年夏にVMware Tanzuファミリーにリブランディングされました。
- VMware Aria Hub→「VMware Tanzu Hub」に名称変更
- VMware Aria Cost→「VMware Tanzu CloudHealth」に名称変更
- VMware Aria Automation for Secure Clouds→「VMware Tanzu Guardrails」に名称変更
VMware Tanzu Hub (旧称:VMware Aria Hub、VMware Aria Graph)
「VMware Tanzu Hub」は、多種多様なソースで発生するクラウドのデータを集約し、その一元管理と分析を実行するデータストアです。何十億ものデータポイントを生成直後に取り込むことが可能で、クラウドサービスごとに形状が異なるデータを統合することで、増加し続けるクラウド関連データの有効活用を支援します。
「VMware Tanzu Hub」によるデータ分析(画像クリックで拡大)
VMware Tanzu CloudHealth (旧称:VMware Aria Cost powered by CloudHealth)
VMware Tanzu CloudHealthは、各クラウドのコストや利用状況をダッシュボード上でグラフィカルに可視化します。分析結果に基づいたリソースの改善案やクラウド予算の管理機能によって、効果的なコスト最適化を支援します。
VMware Tanzu CloudHealthでは、収集したデータを論理グループ(Perspective)として自由に定義し、各クラウドを混在させて分析できます。これにより、「事業別」や「プロジェクト別」などの切り口でグループ化することができ、マルチクラウドのコスト状況を効率的に可視化することが可能です。
VMware Tanzu CloudHealthは、元々「CloudHealth by VMware」としてサービスが提供されており、何度か名称変更が行われています。旧CloudHealthについては、以下の記事でご紹介しています。
VMware Tanzu Guardrails (旧称:VMware Aria Automation for Secure Clouds)
VMware Tanzu Guardrailsは、リソースの相互関係や構成エラー、脆弱性といったセキュリティ上のリスクの可視化および分析を行います。発生したイベントは数秒〜20秒以内に検知され、1,000以上の事前定義されたクラウドセキュリティのベストプラクティスに沿って脅威や脆弱性を可視化します。
クラウド設定のベストプラクティスを活用し、監査や見直しを自動化することで、クラウド設定ミスに起因するセキュリティリスクの最小化に貢献します。
ネットワールド独自の VMware Aria の導入支援体制
ネットワールドではVMware Ariaをスムーズに導入・活用いただくために、お客様に合わせてヒアリングから各サービスの導入、操作手順書の作成、トレーニングの実施、導入後のオフサイトサポートまでトータルに対応する「導入支援サービス」を提供しています。基本的なサービスに加えて、お客様に要望に応じた個別のサービスカスタマイズも可能です。
VMware Aria 関連サービスをご検討の際は、ぜひネットワールドまでお問合せください。
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