従来の課題 (SBC方式とVDI方式のメリットとデメリット)
デスクトップの仮想化は大きく分けてSBC方式とVDI方式の2種類あります。
それぞれメリットもある反面、課題があることも事実です。
SBC(Server Computing)方式
1ユーザに対し環境を割り当てるのではなく、サーバOS上のアプリなどを複数のユーザが共有して利用します。
ーメリット
● 複数のユーザでサーバーのCPUやストレージを共有するため、コストを抑えられる
● 端末ごとのバージョン管理が不要
ーデメリット
● 複数のユーザで共有するため自由度が下がる
● サーバOSでは実行できないアプリがある
VDI(Virtual Desktop方式)
仮想サーバ上に作成された仮想デスクトップを1ユーザーごとに1台ずつ割り当てる方式です。
ーメリット
● 物理PCとほぼ同等の自由度の高いパフォーマンスが可能
●特定のユーザーの処理が他のユーザーに影響しない
ーデメリット
●導入・運用のコストが高額
WVDとは?
WVDとは、Windows Virtual Desktopの略でMicrosoft Azure上で実行するDaaS(Desktop as a Service)のことです。
WVDは従来のDaaSにはなかった特長を持ち、Microsoftが提供する新たなDaaSの選択肢として注目を集めています。
WVDが注目される理由 -マルチセッション-
WVDはWindows10のマルチセッション接続に対応しているのが特長であり、Windows10のマルチセッションを提供する唯一のサービスです。
通常だとVDIを構築する際、ユーザごとに仮想マシンを割り当てる必要があったものが、WVDのマルチセッションを利用することにより、1台の仮想マシンに対して、複数ユーザが接続するVDI環境を構築することが可能になりました。そのため、仮想マシンリソースを共有でき、コスト削減を見込むことができます。
WVDのご利用条件
WVDを利用する際は下記ライセンス・ご利用料金・基盤が必要になります。
①利用ユーザ分ライセンス
● Microsoft 365 E3/E5/A3/A5/F1/Business
● Windows 10 E3/E5/A3/A5
● ユーザあたり Windows 10 VDA
(※WVD分の費用は不要です。)
②Microsoft Azure のご利用料金
また、管理プレーンとなるWVDホストセッションとなる仮想マシンのクラウド基盤のご選択が必要です。WVD純正ツール、もしくは付加価値をつけて VDI サービスを提供している他社Azure VDI管理ツールを組み合わせて利用できます。その一つとしてVMware Horizon Cloudが対応しています。
詳しくはMicrosoft社のWVDページをご参照ください。
● WVD概要
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/virtual-desktop/
● Azure見積もりツール
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/calculator/
WVD導入のポイントは運用管理?
WVDとHorizon Cloud on Azureを連携していただくことにより、Horizon CloudでのWindows10マルチセッションOSをご利用いただくことが可能になりました。
ユーザーのログイン時間の推移や、CPU・メモリ利用率・ディスク遅延の推移などを
Horizon Cloudと連携することで効率的に管理することができます。