vSphere・vSAN・VCF Operationsの導入支援事例〜仮想デスクトップ基盤の刷新〜

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VDI基盤の刷新支援事例:vSphere・vSAN・VCF Operationsの導入

自治体様向けに、約1,000名の職員による業務利用を想定し、900台規模の仮想デスクトップ環境(VDI)の導入を支援しました。VDI環境の安定運用と将来的な拡張性を両立させるため、新たにVMware vSphereおよびvSANを用いたHCI(ハイパーコンバージドインフラ)基盤を構築。さらに、日々の運用の可視化と最適化を目的にVCF Operations(旧称:Aria Operations)を採用しました。

インフラは高可用性とスケーラビリティを重視して設計されており、現時点での業務負荷に加えて、将来的なユーザー増やVDI台数の増加にも柔軟に対応できる体制を整えています。

構成のポイントとネットワールドからの支援

1. 設計・構築プロセスの伴走支援

要件整理では、現行環境の課題や将来的な運用構想をヒアリングした上で、拡張性と冗長性を重視した基本設計を実施。ストレージはvSANによる分散構成を採用し、18台のESXiホスト間でI/Oの均等化を図りました。冗長構成にはFTT2を適用しています。

導入は「要件定義 → 設計 → 構築 → 動作検証 → 手順書作成 → 運用引き渡し」の一連プロセスに沿って進行。VMware社のPSOと連携しながら、ネットワールドが設計・構築の中核を担い、高度な支援体制を提供しました。

2. クラスタおよびストレージ構成

仮想基盤は、管理系クラスタ(6台)とVDI系クラスタ(12台)からなる2クラスタ構成。全ストレージはオールフラッシュのvSANを採用し、管理クラスタではRAID1+FTT2、VDIクラスタではRAID6+FTT2を適用。FTT2によるオーバーヘッドの懸念もありましたが、実機検証により性能面での問題は発生しませんでした。

3. 仮想デスクトップ環境の構築と拡張性

VDIクラスタ上に約900台の仮想デスクトップをOmnissa Horizon(旧称:VMware Horizon)で展開。ユーザー数の拡大にも対応できるスケーラブルな構成とし、長期的な安定運用を実現しています。負荷や用途に応じて最適化されたインフラにより、高い可用性と効率的なリソース管理を両立しました。

4. 運用設計と管理体制の整備

用途に応じた運用設計を実施。管理クラスタではDRSを無効化し、VDIクラスタにはファイルサーバー向けのアフィニティルールを設定。vCenter Serverを中核とした一元管理体制を構築し、効率的な仮想基盤運用を支援しています。

また、実環境に即したスクリーンショット付きの操作手順書を作成し、管理者向けに操作説明も実施。テンプレートではなく、環境ごとに最適化されたドキュメントを提供しました。

5. VCF Operationsを活用した可視化と最適化

VCF Operationsの導入により、ESXiホストのCPU使用率やHorizonのセッション数、vSANのI/O負荷などをダッシュボードで可視化。リソース使用状況の長期的な把握が可能になり、将来的なキャパシティプランニングにも活用しています。

たとえば、「実際の使用率は約80%」「次期は150%のリソース増が必要」といった定量的な判断が可能になりました。また、OS停止中の仮想マシンや、VMware Toolsが未応答のVDIを自動検知し、実稼働台数を正確に把握。仮想デスクトップ環境の可用性を可視化できる仕組みを整えました。

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