NSX ・VMware Cloud Directorの導入支援事例〜セルフサービス型ネットワークの構築〜
情報通信系企業様向けに、短期間で複数プロジェクトが立ち上がる業務特性に対応するため、VMware Cloud Director(vCD)とNSXを連携させたセルフサービス型ネットワーク基盤の構築を支援しました。従来のように物理ネットワークや管理者依存で構成変更を行うのではなく、エンドユーザーが自ら必要なタイミングでネットワークを作成・変更できる仕組みを整備。これにより、ネットワーク設定にかかる時間が「数時間から数分」へと大幅に短縮され、リソースの即時提供が可能になりました。
ネットワールドでは、vCDとNSXの設計・連携構築、運用テンプレートの整備、ドキュメント作成までを一貫して支援。標準化と自動化を両立させたIaaS基盤を実現しました。

構成のポイントとネットワールドからの支援
1. テナントの即応性向上を目的としたIaaS構成方針の整理
短納期で複数プロジェクトが動く環境においては、ネットワーク構成の即時対応が求められました。ネットワールドでは、この要件をもとに「ユーザー自身による構築権限」と「ガバナンスの確保」を両立させるアーキテクチャを設計。NSXの柔軟な構成とvCDのセルフサービス機能を組み合わせ、運用負荷を最小限に抑える方針を立てました。
2. NSXとvCDの連携によるセルフサービス機能の実装
NSXによって構成された仮想ネットワーク環境に対し、vCDを介してユーザー自身がGUIベースで設定できるよう連携を実装しました。
約100テナントを対象としたネットワーク環境の自動生成や、テナントごとの仮想ルーター設定をvCD経由で提供することで、構成変更作業を完全にセルフサービス化しました。
3. テンプレート化による構成標準化とミス防止
ユーザーが自由に操作できる環境を整備する一方で、ネットワーク構成のばらつきを抑えるために、管理者による事前テンプレートを導入。NAT設定やルーティングパターンなどの標準構成をテンプレート化することで、設定の統一と作業時間短縮を同時に実現しました。
4. モニタリング体制の整備による透明性確保
ユーザーの自由な操作を許容しながらも、管理者が全体を俯瞰できるよう、NSXとvCDの双方で構成状況を可視化するダッシュボードを整備。テンプレート適用状況やネットワークリソース使用状況を一覧で管理できる体制を整え、統制の効いた運用基盤としました。
5. 効果の定量化と構築期間中の段階的展開支援
運用上の大きな成果として、ネットワーク構築作業にかかる時間を大幅に短縮し、数時間かかっていた設定が数分で完了。これにより、管理者のリクエスト対応件数も減少し、業務リソースの再配分が可能になりました。
ネットワールドでは、約7カ月の構築期間中に段階的な導入支援を実施し、実環境でのフィードバックをもとに各フェーズを最適化しました。
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