Avi Load Balancerの導入支援事例〜物理ロードバランサーからの移行〜
通信業のお客様向けに、仮想基盤(vSphere)の刷新とあわせて、VMware Avi Load Balancer(以下ALB)を用いたロードバランサーの仮想化と統合運用への移行を支援しました。これまでシステムごとにハードウェアロードバランサーを個別に設置・運用していましたが、台数の増加に伴い、機器ごとの設定差異や保守負荷、拡張の難しさが顕在化していました。
ネットワールドでは、VMware社のPSOチームと連携しながら、Aviの導入設計から構築、移行後の運用QA支援までを一貫して担当。仮想化による統合管理と自動化に対応したアプリケーション配信基盤を提供しました。

構成のポイントとネットワールドからの支援
1. ハードウェアLBの課題整理と仮想化ロードマップの策定支援
ハードウェアロードバランサーの更新タイミングを契機に、運用負荷の高さや構成の属人化といった課題を可視化。各機器ごとに異なるポリシーや設定のばらつきを整理し、仮想LBによる一元管理に向けた全体構成の再定義を実施しました。
加えて、可用性や拡張性、運用自動化といった要件を明確化し、段階的な移行計画と運用ポリシーをあわせて策定しました。
2. vSphere基盤刷新とALB統合構成の同時展開による導入支援
本案件では、既存の仮想基盤も更新対象であったため、新vSphere環境上にALBをゼロから設計・構築。Avi Controllerの冗長構成や、テナント単位でのサービスエンジン配置といった基本設計を整備し、従来のLB構成を再現しつつも統合可能な形に再構成。将来的なクラウド連携を見据えた柔軟性も担保しました。
3. サービスエンジン展開設計と各種移行手順の体系化支援
従来の物理LB構成とALBの論理構成とのギャップを埋めるため、仮想サービス単位での移行計画を作成。特に各サービスエンジンが処理するトラフィックのバランス設計や、既存SSL証明書の取り込み方法、仮想サービスの再構成手順をドキュメント化し、段階的なマイグレーションの基盤を整えました。
4. オフサイトQAによる運用現場の技術習熟と定着支援
構築フェーズ終了後は、オンサイト常駐ではなくリモートベースでのQA支援を実施。問い合わせに対する即時対応や、設定変更時の影響確認、ALB UIの使い方に関するハンズオン形式での支援などを通じて、管理者が自立運用できるまでの立ち上がりをサポートしました。
5. リプレースによるコスト最適化と柔軟なスケーリング構成の実現
ALB導入により、ハードウェア更新サイクルからの脱却を実現。仮想サービスの複製や拡張がソフトウェアベースで完結することで、新規サービスの展開リードタイムを大幅に短縮しました。
また、ロードバランサーの負荷に応じて動的にサービスエンジン数を変更できるALBの特性を活かし、将来のアクセス増にも柔軟に対応可能な構成を確立しました。
関連コンテンツ
本ページでご紹介したサービスは、以下の対談記事でもご紹介しております。
