VMware Live Site Recovery(VLSR)の導入支援事例〜災害対策のサイト切り替え自動化〜

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VLSRの導入支援事例〜災害対策のサイト切り替え自動化〜

通信・メディア系企業向けに、災害発生時でも業務を中断せずに継続できるよう、仮想基盤の災害対策を強化する取り組みとして、VMware Live Site Recovery(VLSR)および vSphere Replication(vSR)の導入を支援しました。従来は手作業で行っていたDR(Disaster Recovery:災害復旧)オペレーションを自動化することで、切り替え・復旧にかかる時間と負荷を大幅に削減し、より確実な復旧体制を整えています。

本プロジェクトでは、拠点間の仮想マシンレプリケーションから、切り替え・再保護・切り戻しの運用設計、運用手順書の整備までを一貫して支援。日常業務の延長としてDR体制を構築することで、現実的かつ安心して使える災害対策の仕組みを実現しました。

構成のポイントとネットワールドからの支援

1. 設計・構築プロセスの伴走支援

導入初期には、復旧対象やRPO(Recovery Point Objective)、自動化の対象範囲などを丁寧にヒアリングし、設計方針を策定。ネットワールドは、「要件定義 → 設計 → 構築 → テスト → 手順書作成 → 運用引き渡し」の各工程を通じて、仮想マシンの保護グループおよびリカバリープランの定義を含めた構成全体を支援しました。

2. 広域災害を見据えた東西拠点構成

本案件では、大規模地震などの広域災害リスクに備え、東日本と西日本の2拠点間でDRサイトを構成。
各拠点にvSRとVLSRを配備し、仮想マシンを継続的にレプリケーション。障害発生時には事前に定義されたリカバリープランに基づいて、自動で切り替えを行う仕組みとしました。

3. 切り替え・切り戻しの自動化と検証支援

VLSRの導入により、仮想マシンの切り替え、再保護、切り戻しといったDR運用をワークフロー化。事前テスト機能を活用することで、本番に影響を与えることなく切り替え訓練も可能となりました。導入時には、実機での切り替えテストも実施し、その内容をもとに手順を明文化しています。

4. 帯域・遅延を考慮したRPO設計

レプリケーション間のネットワーク帯域や遅延状況は、設計段階から検討を重ねました。

特に、RPOの目標値(例:1時間以内)を達成するために、事前に仮想マシンの差分データ量を測定し、それに応じて必要な帯域幅や設定を見積もるなど、実効性のある復旧体制を構築しました。

5. 手順書整備と継続的な運用支援

導入後も、定期的な切り替え訓練の実施に備えて、実環境の画面キャプチャを用いた詳細な手順書を作成。1年に1回、または半年に1回の訓練を想定した運用設計とあわせて、VLSRのテスト機能を活用した訓練支援も行っています。

さらに、DRサイトを検証環境としても活用することで、設備の有効活用と投資対効果の向上を支援しています。

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