「VMware Cloud on AWS」を選定する3つのポイント

「VMware Cloud on AWS」を選定する3つのポイント

ハイブリッドクラウド各社からVMware Cloudが提供されている中、「VMware Cloud on AWS」を利用するメリットはどのような点にあるのでしょうか。既存AWSサービスの利用状況や保有スキル、ネイティブサービスとの連携方法、東京・大阪リージョンの活用、規制・基準・認証への対応状況、2ノードから開始可能など、選定にあたってのポイントを整理します。

目次

VMware Cloud on AWSを選定する際の3つのポイント

VMware環境を用いてハイブリッドクラウドを構成するVMware Cloudソリューションは、主要なパブリッククラウドプロバイダー各社から提供されています。そのなかで、Amazon Web Services(AWS)が提供しているのがVMware Cloud on AWSです。

各社ともVMwareと共同でソリューションを開発しており、VMwareの認定を受けた環境として提供しています。具体的には、VMware Cloudを構成する製品として、VMware vShpere、VMware NSX、VMware vSANといったVMware SDDC(Software Defined Datacenter)のコンセプトを実現するためのコンポーネントをベースに構築されています。

このため、利用できるサービスや機能、ユースケース、得られるメリットには大差がないようにも感じられます。実際、主要なパブリッククラウドベンダーは、さまざまな領域で新しいサービスや機能を開発しており、それぞれの差はほとんどなくなってきています。

では、これからVMware Cloudを採用しようという企業は、どのような基準で各社のVMware Cloudソリューションを選択すればよいのでしょうか。ここでは、VMware Cloud on AWSを選定する際のポイントを整理します。

VMware Cloud on AWSの特徴

クラウドプロバイダーとしての実績と成熟度

1つ目のポイントは、クラウドプロバイダーとしての実績と成熟度です。VMware Cloud on AWSは、2017年という比較的早い段階からサービスの提供を開始し、東京リージョンでの提供開始も2018年11月からスタートしています。2021年現在、北米、南米、欧州、アジアパシフィックなど17リージョンで利用が可能です。東京リージョンに距離的に近いリージョンとしては、ソウル、シンガポール、シドニーがあります。

提供実績の長さと豊富さはパートナーの数にも表れています。VMwareから認定を受けたVMware Cloud on AWSパートナーはグローバルで600社を超えています。また、パートナーが利用できるISVエコシステムのソリューションは300に上ります。AWSは、200を超える機能を自社のクラウドサービスとして提供していますが、VMware Cloud on AWSは、そうしたネイティブサービスとの連携も容易に行うことが可能です。

提供を開始してから4年で仮想マシンの総数は3.5倍に増加し、ホストの数は前年比2.5倍に増加しています。パブリッククラウドとしての実績があることから、自社システムですでにAWSを利用している企業は、AWSに関するノウハウやスキルを学習せずに利用できることも大きなメリットになります。

VMware Cloud on AWSの実績

VMware Cloudを提供する基盤の信頼性

2つ目のポイントは、提供基盤の信頼性です。VMware Cloud on AWSは、SDDCコンポーネントのメンテナンスをヴイエムウェアが担います。他のVMware Cloudソリューションでは、ソリューションを共同提供するパブリッククラウドプロバイダーが基本的にSDDCコンポーネントのメンテナンスを担います。このためAWSでは、VMware Cloud on AWSについて「VMwareによって提供、運用、サポートされる唯一のパブリッククラウドサービス」と説明しています。

AWSの提供基盤については、各種のコンプライアンス認定や国際標準規格に則って運用されていることが特徴です。VMware Cloud on AWSは独自にISO 27001、ISO 27017、ISO 27018、SOC 1、SOC 2、SOC 3、HIPAAに準拠していることが検証されています。また、VMware Cloud on AWSは、General Data Protection Regulation (GDPR) にも準拠しています。

オンプレミスで構築したVMware基盤との違いとして挙げられるのが、アベイラビリティゾーン(AZ)を活用したデータ保護基盤として構築できるかがポイントです。また、2021年3月には大阪リージョンの開設が発表され、今後、VMware Cloud on AWSでも東京と大阪を活用したAZや災害対策ソリューションの適用が可能になります。

主要なコンプライアンス規制・基準に対応

AWSネイティブサービスとの連携性と統合性

3つ目のポイントは、AWSが提供しているネイティブサービスとの連携性、統合性の高さです。VMware Cloud on AWSは、Elastic Network Interface(ENI)を使用して直接顧客のVPCに接続されるため、AWSのサービスにも簡単にアクセスできます。また、ヴイエムウェアが堤供しているトランジットゲートウェイVMware Transit Connect(VTC)を利用してAWSサービスにアクセスすることもできます。

AWSのネイティブサービスは、グルーバルで提供されるサービス、リージョンに閉じたサービス、VPC内のプライベートリソースに大きく分けられます。例えば、グローバルサービスには、Amazon CloudFrontやAmazon Route 53、AWS IAMなどがあります。リージョンサービスには、Amazon EFS、Amazon S3、AWS Lambda、Amazon DynamoDBなどがあります。VPC内のプライベートリソースには、Amazon EC2、Amazon RDS、Elastic Load Balancing、Amazon RedShiftなどがあります。EVIやVTC、インターネットを使って、これらにすべてにアクセスすることが可能です。

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