Avi Load Balancerの導入支援事例〜ハイブリッドクラウド向けGSLBの実現〜

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ハイブリッドクラウド向けGSLBの導入支援事例:Avi Load Balancerの導入

航空業界の企業様向けに、オンプレミスのvSphere環境とAWSクラウドを活用したハイブリッドクラウド基盤に対して、VMware Avi Load Balancer(以下ALB)のGSLB(グローバルサーバーロードバランシング)機能を中心とした基盤強化を支援しました。AWSとオンプレミス双方にALBコントローラーを配置し、それぞれの環境に適応したロードバランシング設定とDR切り替え機能を組み込み、拠点障害時の自動フェイルオーバー構成を実現しました。

ネットワールドは、ALBの構築支援からオフサイトQA、設定設計、マルチ拠点運用における構成検証までを支援。クラウド・オンプレミスを跨いだ分散環境の可用性強化に貢献しました。

構成のポイントとネットワールドからの支援

1. 可用性向上と構成の見直しに向けたGSLB活用方針の整理

本案件では、障害時のDR構成が属人的かつ手動であったことが課題となっていました。ALBが標準ライセンスで提供するGSLB機能に注目し、フェイルオーバーの自動化と、リカバリ時間の短縮を実現する構成案を提案。クラウドとオンプレミス双方におけるヘルスチェックの分離運用方針も整理し、構成の明確化を図りました。

2. 拠点障害に対応可能なフェイルオーバー構成の設計・構築

プライベートクラウドに障害が発生した場合、ALBのGSLBがDNSレベルでAWS側へ切り替える仕組みを構築。複雑な条件分岐を要さずに、サービス可用性を保ったまま移行できるように設計しました。

サイト間のレイテンシや監視間隔もチューニングし、即応性と誤検知防止のバランスを最適化しました。

3. AWSとオンプレミスにまたがるALB構成の展開と連携管理体制の整備

AWSとオンプレミスにそれぞれALBコントローラーを設置し、双方のコントローラーが同期・連携できる設計としました。ただし、今回の事例では意図的にコントローラーを分離管理とし、可用性と管理負荷の最適なバランスを取る運用を採用。構成の統一は今後の要件変化に応じた拡張余地として設計段階から考慮しています。

4. サービスエンジンの冗長化とALB統合管理機能の活用による運用効率向上

環境ごとに構成が異なっていた従来のLB環境を、ALBの統合GUI上での管理へ移行。サービスエンジンの配置を冗長化し、負荷分散と可用性の両立を実現。アプリケーション視点でのダッシュボード監視、レスポンス分析などを通じて、監視・運用面の課題も可視化できる構成を整えました。

5. フェイルオーバー検証・オフサイトQA支援を通じた安定運用の確立

DRシナリオに基づく切り替えテストやDNS応答検証など、複数の運用シナリオに対してQA支援を実施。拠点間のパケット疎通状態や切り替えタイミングに関するログ確認などを行いながら、運用現場の観点に沿った仕様整備も併せて支援しました。

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