【ノウハウ活用ガイド】VMware Tanzu

Tanzu Kubernetes Gridとは?~オンプレミス、クラウド、エッジを自在に管理~

Tanzu Kubernetes Gridとは?~オンプレミス、クラウド、エッジを自在に管理~

Tanzu Kubernetes Gridとは?~オンプレミス、クラウド、エッジを自在に管理~

今回は、オープンソースであるKubernetesをベースに開発されたコンテナランタイム「Tanzu Kubernetes Grid」をご紹介します。「Tanzu Kubernetes Grid」により、vSphereベースのオンプレミスシステム、VMware Cloud on AWS、VMware Cloud Provider、パブリッククラウド、エッジなどさまざまな形態のクラウド環境にKubernetesクラスターを構築できます。アクセス権限管理、セキュリティ管理など既存の仕組みの流用も可能です。

実行環境「Tanzu Kubernetes Grid」のさまざまな役割

前回の記事で、「VMware Tanzu」(以下、Tanzu)のアーキテクチャーの全体像を紹介しました。Tanzuの役割は高速デリバリを実現する「Build(構築)」、開発者とIT管理者のための包括的なKubernetes管理と保護を提供する「Manage(管理)」、エンタープライズにおけるKubernetesの実行環境を提供する「Run(実行)」、という3つに分けられます。

今回の記事では特に、実行環境Runの中心であるTanzu Kubernetes Gridにフォーカスします。

Tanzu Kubernetes Gridは図のように、VMware vSphere上の仮想マシンに構築したオンプレミスなどをKubernetesで管理するためのコンテナランタイムです。オンプレミスのvSphere のほか、VMware環境をAmazon Web Services(AWS)で稼働させるVMware Cloud on AWS、サービスプロバイダー企業がVMware製品を用いて第三者企業にクラウドホスティングサービスを提供するプログラムを軸にしたVMware Cloud Provider、AWS/Microsoft Azure/Google Cloud Platforms(GCP)などのパブリッククラウド、製造業に工場やIoTの活用で増えるエッジデバイスやブランチといった外部の環境において、Tanzu Kubernetes Gridがコンテナイメージ管理、ライフサイクル管理などの機能を提供できます。

 

Tanzu Kubernetes Grid

Tanzu Kubernetes Grid には、これまでのvSphereのオンプレミスの環境と同じようにKubernetesを管理運用できるvSphere with Tanzu と、マルチクラウドの環境も想定したTanzu Kubernetes Grid Multicloud の2つのラインナップがあります。

Tanzu Kubernetes Gridの特徴

Tanzu Kubernetes Gridの機能を端的に述べると、「Kubernetesの管理とオペレーションをシンプルにすること」です。

コンテナを本番環境で実行する場合、数万のコンテナが稼働することになるため、企業は複数台のホストにコンテナを適切にデプロイしたり、可用性を確保したり、必要な場合にスケールさせたり、外部ネットワークからのリクエストを負荷分散したりするオーケストレーションの課題が生じます。これを解決するのがKubernetes です。

しかし、オープンソースのKubernetesでは、柔軟性は高いものの、必要なインフラも含めた運用を行っていくために高レベルの専門技術者を自社に抱えなくてはなりません。また、複数のデータセンターやクラウド環境をまたがって運用する場合、一貫した管理を維持することが非常に難しくなります。

Tanzu Kubernetes Grid は、エンタープライズにおけるオンプレミスソリューションとして様々な非機能要件にも対応してきたアドバンテージを生かしつつ、オープンソースや業界標準にも配慮しベンダーロックインを排除することで、クラウドネイティブソフトウェアが提供する複数のメリットを引き出すことができます。

Tanzu Kubernetes Gridの具体的な特徴を4つご紹介

簡単なインストール

Tanzu Kubernetes Gridは、企業のデータセンターやVMwareのプライベートクラウド、パブリッククラウド、エッジ、マルチクラウド環境で、必要な時にスケーラブルなKubernetes環境を実装できるように開発されています。

マルチクラスター運用の自動化

大規模なマルチクラスターKubernetes環境の運用をシンプルにします。ライフサイクル管理を自動化してリスクを軽減し、企業のIT部門がより戦略的な作業に注力できるようにします。

統合サービスによってデプロイと管理を合理化

ロギング、モニタリング、ネットワーキング、ストレージサービスなどのローカルおよびクラスター内プラットフォームサービスのデプロイと管理を合理化して、本番稼働に対応したKubernetes環境を、より簡単に構成し維持します。

オープンソースの活用

クラスター管理を宣言的APIで実現するKubernetesプロジェクトであるCluster APIなどの主要なオープンソースを有効活用し、ベンダーロックインを回避し、柔軟性と移植性を確保します。

Tanzu Kubernetes Gridを実行できる環境

では、具体的にTanzu Kubernetes Gridはどのように活用できるのでしょうか。IT部門の視点から場面ごとに例を紹介しましょう。

プライベートクラウド

既存のオンプレミスの資産を生かし、アプリケーションエンジニアがプライベートクラウドのKubernetesクラスターを、必要な時に利用できるようになります。

エッジ

Tanzu Kubernetes Gridのオープンアーキテクチャーにより、例えば小売業界のリモートサイトロケーションのような、高い水準の技術を用いて分散化したエッジ環境において、軽量なデプロイと合理化されたマルチクラスター運用が実施できるようになります。これにより、新しい店舗の端末を認識して管理・保守にかかる工数を把握してコストを削減したり、本部がポリシーに沿って新規のコンテナアプリケーションを特定地域の小売店舗が定めたデバイス向けに配布、更新したりすることも可能になるでしょう。

 

今回は、実行環境であるTanzu Kubernetes Gridについて紹介しました。Tanzu Kubernetes Gridが、企業のさまざまなシステム環境をKubernetesで管理していくための中核となる機能であることが理解いただけたかと思います。

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