【お役立ち情報】クラウド

「マルチクラウド」はなぜ話題?〜ハイブリットクラウドとの違いと特長〜

「マルチクラウド」はなぜ話題?〜ハイブリットクラウドとの違いと特長〜

「マルチクラウド」はなぜ話題?〜ハイブリットクラウドとの違いと特長〜

前回、「クラウドとは何か」について改めておさらいするとともに、企業の間でクラウドへの「リフト&シフト」が進む背景について検証しました。そこで今回は、企業の間でクラウドが普及したことによって増えている「マルチクラウド」に焦点を当て、その意味するところや、種類などについて解説していきます。

なぜ「マルチクラウド」に注目が集まっているのか

俊敏性とスケーラビリティの高いITの利活用が可能になる「クラウド」は、今や企業の情報システム環境の主流ともなりつつあります。情報システムを導入あるいは更新する際に、その運用基盤としてまずパブリッククラウドのサービスの利用を第一に検討すべきとする「クラウドファースト」という発想も広く浸透しています。

このように、クラウド活用が当たり前となると、異なるクラウドベンダーが提供するさまざまなクラウドサービスを、同じ企業で利用する状況ともなってきます。このようなクラウドの利用形態を踏まえて昨今叫ばれているアプローチが「マルチクラウド」です。

マルチクラウドとは、複数のクラウドサービスを組み合わせながら、その企業にとって最適な環境を構成する運用形態を指します。具体的なマルチクラウドの定義はベンダーなどによって若干の違いがありますが、例えばVMwareは、プライベートクラウドやオンプレミスのITインフラだけではなく、それに加えて仮想データストレージやコンピューティングリソース用などに複数のパブリック クラウドサービスを利用すること、としています。

現在、世界で最も多く利用されているクラウドサービスといわれるAWS(Amazon Web Services)が2018年11月に実施したアンケート調査によると、約40%の企業が2つ以上のクラウドを利用する「マルチクラウドユーザー」であり、約18%は“3大クラウドプラットフォーム”とも呼ばれる、AWSとMicrosoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)のクラウドを利用していることが明らかとなりました。またユーザーの98%が、マルチクラウドを活用中かもしくは検討中と回答しています。もはやマルチクラウドを前提としてIT基盤を検討する時代になったと言えるでしょう。

(出典:2018年11月に開催されたAWS「re:Invent」における、テクニカルエグゼクティブやビジネスエグゼクティブを対象とした調査)

 

「ハイブリッドクラウド」との違いは?

このように企業のIT環境のクラウド化が進むなかにあって、マルチクラウドやハイブリッドクラウド環境は確実に広まりつつあります。

ここで「ハイブリッドクラウド」という言葉を初めて使いましたが、マルチクラウドとよく似た使われ方をするため、よく混同されがちなので説明しておきます。ハイブリッドクラウドもマルチクラウドと同様に、複数のクラウド環境を併用する形態ではありますが、パブリッククラウドの間には違いがあります。マルチクラウドの定義と同様に、ハイブリッドクラウドの定義はベンダーによって若干異なりますが、ここではVMwareの定義を紹介します。

マルチクラウドとは、複数のパブリッククラウドサービスを利用することですが、ハイブリッドクラウドでは、1つまたは複数のパブリッククラウドサービスを、オンプレミスのプライベートクラウドと組み合わせて使用します。このようにハイブリッドクラウド環境では、特定のアプリケーションの運用にプライベートクラウドとパブリッククラウドの両方を活用することに対して、マルチクラウド環境では、複数のパブリッククラウドベンダーが提供する幅広いさまざまなクラウドベースのサービスを利用します。

 

幅広いマルチクラウドの形態

今やマルチクラウドはIT基盤の一大潮流ともなっていて、オンプレミスかクラウドかを問わず、適材適所にIT基盤を選ぶ時代へと突入したと言えるでしょう。企業はマルチクラウド戦略を採用することで、自社のニーズとそれぞれのクラウドサービスの特徴を踏まえた柔軟かつタイムリーな選択が可能となります。また、単一ベンダーへの依存度を下げることにもつながるため、いわゆる「ベンダーロックイン」の回避にも極めて有効です。

よくあるマルチクラウドの利用ケースとしては、例えばそれぞれ異なるベンダーが提供するパブリッククラウドを使いながら、本番環境とバックアップ/リカバリー環境を構築することでコストを抑えるというアプローチが挙げられます。また例えば最近人気のAIやIoT活用のプロジェクトにおいては、IoTデータの「収集」、収集したデータの「学習と分析」、そこから得られた結果の「提供」、という3つのステップのそれぞれに異なるパブリッククラウドサービスを利用するといった利用方法もあるでしょう。このように、それぞれのクラウドサービスの良いところを組み合わせながら、自社独自の運用形態を実現するというのが、マルチクラウドの本質的な考え方なのです。

このように、マルチクラウドの選択肢や組み合わせには、さまざまな可能性があると言えます。代表的なマルチクラウド活用形態としては、さまざまなワークロードに対応する複数のIaaSプロバイダーの利用や、新しいクラウド アプリケーションをテストするためのパブリックPaaSの組み合わせが考えられるでしょう。もちろん、企業のマルチクラウドインフラは、各企業のニーズや制約などによって無限とも言えるでしょう。

 

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